流星


おおきな宇宙船に乗っていたぼくは
きょう
無重力空間に
しらずに
とびだしてしまったことに気がついた

肌をぴりぴりさせた水槽の水は
もしかしたらほんとうは
あたたかかったのだろうか
けれど とびだした空気の冷たさに
ほっとするのはなぜだろう

「ひとり」

そんなふうにつぶやいて

ばらばらのパズルのかけらのように
浮遊する僕がみえる

今日は素敵な何かを
自分のために買ってやろう

たくさんの宇宙のチリたちみたいに
すべてをなげだして宇宙船からとびだした
ちいさないしころ