僕のカバン




持ち歩いているうちに
少し重たくなった
僕のカバン


とりあえずいろんなものを詰め込んで
こっちから
あっちから

いつだって
どこでだって
僕たちは選ばなければならない

「Yes」 なのか
「No」 なのか
あるいは
そのどちらでもないものなのか

でも日々の忙しさの中で
「どちらでもないもの」ばかりが幅をきかせて
何を大切にしていたかったのか
見失ってしまうことさえあるんだ

だから僕たちは時々途方にくれる

わけのわからないものを詰め込んだカバンを
部屋のあちこちに転がしたまま
僕はいつか
自分の置き場所をなくしてしまうんじゃないか
そんなことをおそれているんだ

この部屋に来た時の
ぼくは何ももっていなかったのに

知らないうちに
部屋の中は散らかって
僕のココロも少しずつどんどん散らかっていく

ほんとは
しらないためこんだ荷物を集めわせたら
やっぱりそれが
僕とそっくりなひとかたまりになるって事を
じつは知っているのに

つめこんだ鞄が
時々ため息をついて
ため息はまたカバンの中に消えて

僕はどこまでも
カバンを
捨てることができない

そしてまた朝になり
ぼくはまた
「おはよう」って話しかけてしまうんだ

毎日の中で
僕らは許したり
許されたりしながら

なんだかどうでもいいような

「おはよう」と

昨日と少しもかわらない
はじめてのあした