しあわせの種


さっき出会ったばかりの君が
大事にかかえていた書類を放りだして
僕のために
新しい花壇をつくる

ほんとはどんな花が咲くのかさえも知らないくせに
小石だらけの地面の上で
泥だらけになりながら
きみは
僕のために新しい花壇をつくる

僕は
はるか遠くの国からずっとあたためてきた夢を
きっとここに咲かせよう

たとえば
僕の目には何も見えなくて
きみの耳は何も聞こえなくて

青い空を
さざめく海を
伝えることができなくて

けれど
この広い宇宙のどこかで
新しく生れ落ちるいのちと
終わりゆくすべてのもの
旅はいつでも
どこからでもはじまるから

たとえば
きょう僕が見たディスプレイ
素敵な花がさいていて
地球の裏側には恋人たち


ふたりで風に乗って
たくさんのちいさな輝く花の種をまこう
ちいさのしあわせの種が
さみしがりやの心の中に届くように

コスモスという名のこの星で
また新しい僕と君が出会えるように



きょうは花壇に新しい花の苗を植えました。
ながい間放置したうえにこないだの台風でやられ花壇は荒れ果てていました。
草を抜き、春から放置したチューリップの球根を傷つけないように
新しい土を入れ、その上に新しい花の苗を植えました。
手抜きですが春には立派なチューリップ2段植え花壇になるのです。
頭の中にうかぶ完成図。
来年の春はルール破りですー。